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【計画】来年度の新卒・未経験エンジニアを、現場でスムーズに立ち上がる「インフラ即戦力」に育てるには?
はじめに
これまでの連載記事では、クラウドネイティブ人材の需要の高まりから、資格の選び方、独学の落とし穴、そしてハンズオン研修の設計思想までを取り上げてきました。今回は少し視点を変え、「来年度、新卒・未経験のエンジニアをどう育てるか」という、育成計画そのものについて考えてみます。
来期の新人研修計画を固めるタイミングになると、人事・育成ご担当の方から「来年度の新人研修の内容を見直したい」というご相談をいただく機会が増えます。従来型の新人研修だけで、本当に配属後スムーズに現場で自走できる人材を育てられるのか——そんな課題意識を持つ企業様も少なくありません。
なお、本記事における「即戦力」とは、シニアエンジニアと同等に一人で業務を回せることを指すのではなく、配属直後から現場の基本的な業務にスムーズに立ち上がり、OJT担当者の負担を抑えながら実務にキャッチアップできる状態を指します。
従来型の新人研修だけでは「即戦力」の基準が変わってきている
一般的な新卒・未経験者向けのインフラエンジニア研修は、IT基礎、Linux、ネットワーク(CCNAレベル)、サーバー構築、仮想化の基礎といった内容を、1〜3ヶ月程度の期間で学ぶ構成が多く見られます。こうしたカリキュラムは、インフラエンジニアとしての土台を築くうえで今も欠かせないものです。
一方で、現場で求められる「即戦力」の基準そのものが変化してきています。以前の連載記事でも触れた通り、コンテナやKubernetesといったクラウドネイティブ技術は、もはや一部の先進的なプロジェクトだけでなく、多くの現場で標準的な技術となりつつあります。従来型の「サーバー・ネットワークの基礎が分かる」というレベルの育成だけでは、配属後すぐにクラウドネイティブ環境での実務に対応するには、もう一段のギャップが残ってしまうケースが増えているのです。
育成計画を立てる上でのギャップ
新卒・未経験者の育成計画において、よく見られる課題を整理すると、次のようなものが挙げられます。
- 基礎止まりのカリキュラム:Linuxやネットワークの基礎までは学ぶが、コンテナやKubernetesといった今の現場で求められる技術に触れる機会がないまま配属される
- 配属後のOJT頼み:クラウドネイティブ関連のスキルは、配属後の現場任せ(OJT)になっており、教える側の負担が大きく、育成スピードにも個人差が出やすい
- 育成期間と配属タイミングのミスマッチ:カリキュラムの検討が配属直前になってしまい、十分な準備期間を確保できないまま研修がスタートする これらのギャップを埋めるには、行き当たりばったりの研修設計ではなく、配属時期から逆算した計画的な育成スケジュールが必要になります。
「インフラ即戦力」に育てるための段階的なカリキュラム設計
新卒・未経験のエンジニアを、配属後すぐに活躍できる「インフラ即戦力」に育てるためには、次のような段階を意識したカリキュラム設計が有効です。
第1段階:IT・社会人基礎
社会人としての基本的な意識やビジネスマナーに加え、ITの基礎知識(ハードウェア、OS、ネットワークの基本概念など)を学ぶ段階です。ここは多くの企業がすでに取り組まれている、従来型の新人研修に近い内容です。
第2段階:Linux・ネットワークの基礎
サーバーOSの操作やネットワークの基礎知識を、実機やハンズオン環境を使いながら習得する段階です。この段階までは、多くの新人研修プログラムでカバーされている領域といえます。
第3段階:コンテナ・Kubernetesの基礎
ここからが、従来型の新人研修と差がつきやすいポイントです。コンテナ技術の考え方、Kubernetesの基本概念(Pod、Deployment、Serviceなど)に触れ、クラウドネイティブな環境がどのように動いているかを体感する段階です。以前の記事で紹介したような、初日から手を動かすハンズオン形式の学習が特に効果を発揮する領域でもあります。
第4段階:実践演習・資格取得への接続
学んだ内容を、実践的な演習課題を通じてアウトプットする段階です。基礎知識を測るKCNA(Kubernetes and Cloud Native Associate)や、開発者向けのCKADといった、新卒・未経験者にとって現実的な到達目標となる資格をこの段階で見据えることで、育成のゴールが明確になり、本人のモチベーション維持にもつながります。将来的にインフラ運用の中核を担う人材については、これらを土台としたうえで、CKA取得を見据えた育成へとステップアップしていくとよいでしょう。
育成計画は「今」から動き出す
来年度の新卒・未経験者向け研修を効果的なものにするためには、配属直前になってカリキュラムを検討するのではなく、年度の早い段階から準備を進めることが重要です。特にクラウドネイティブ関連の内容を新たに組み込む場合、カリキュラムの設計や外部研修の選定・調整には一定の時間を要します。 この時期から動き出すことで、単なる「基礎を教える研修」から一歩進んだ、クラウドネイティブ時代の現場に対応できる育成計画へとアップデートすることができます。
まとめ
新卒・未経験のエンジニアを「インフラ即戦力」に育てるためには、従来型のIT・ネットワーク基礎に加えて、コンテナやKubernetesといったクラウドネイティブ技術への橋渡しを、計画的にカリキュラムへ組み込むことが重要です。基礎から実践演習、資格取得への接続までを段階的に設計し、配属時期から逆算したスケジュールで準備を進めることが、育成の質とスピードの両立につながります。
弊社では、こうした段階的なカリキュラム設計の考え方をもとに、新卒・未経験者向けのKubernetesハンズオン研修もご提供しております。来年度の育成計画についてご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
