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Phase02:「属人化から自動化」を理解していない組織が、必ず詰まる理由

2026/6/10|edu

■はじめに

CI/CD を導入する企業は、ここ数年で一気に増えました。 ビルドやデプロイを自動化し、開発スピードを上げる。その方向性自体は間違っていません。

一方で現場を見ていると、 「CI/CD は入っているが、運用はほとんど変わっていない」という状態に頻繁に出会います。

例えば、

  • デプロイは結局、特定の人が実行している
  • 失敗すると「分かる人」に作業が集中する
  • 手順はあるが、なぜそうしているのかは説明できない

結果として、ツールは導入されたのに属人化は解消されていないという状況が生まれます。 これはツール選定の問題でも、担当者のスキル不足の問題でもありません。 多くの場合、「自動化とは何か」という前提理解が揃っていないことが原因です。

本記事では、クラウドネイティブエンジニア育成ロードマップにおけるPhase02「属人化から自動化」に焦点を当て、 なぜCI/CDを導入しても組織は変わらないのか、なぜこのフェーズを曖昧にすると必ずどこかで詰まるのか、を構造的に整理していきます。

1-1. Phase2とは何か(ロードマップ上の位置づけ)

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Phase02は、クラウドネイティブエンジニア育成ロードマップにおいて、 「自動化への思考転換」を行うフェーズ に位置づけられています。

ここで扱う中心的なテーマは CI/CD です。 ただし、Phase02で扱うCI/CDは、特定のツールや設定方法を覚えることが目的ではありません。

このフェーズの本質は、

  • 人が行っていた作業を仕組みとして定義できるか
  • その仕組みを再現可能な形で運用できるか

という点にあります。

Phase01で「実行単位」を理解した上で、Phase02ではそれを人に依存しない形で回すことを考えます。

ここが、個人スキルの話から、組織運用の話へ切り替わるポイントでもあります。

1-2. Phase02で「できるようになること」

Phase02で目指す到達状態は、CI/CDツールを操作できることではありません。 このフェーズでできるようになるのは、次のようなことです。

  • ビルドからデプロイまでの流れを自動化できる
  • 手作業を仕組みに置き換えられる
  • 作業手順をコードとして管理できる
  • 再現可能な運用を設計できる

これを一言で表すと、『属人化から自動化している状態』です。

重要なのは、「自動化=速くすること」ではないという点です。 Phase02で目指す自動化は、人に依存しない運用を成立させることにあります。

1-3. Phase02を飛ばすと、組織で何が起きるか

Phase02を曖昧にしたまま次に進むと、組織では次のようなことが起きがちです。

  • 「この作業は、あの人にしかできない」が増える
  • 手順はあるが、理由が共有されていない
  • トラブル時に責任と作業が特定の人に集中する

結果として、人が増えても運用は楽にならない、引き継ぎが成立しない、教育しても戦力化しない、といった問題が発生します。

ここで重要なのは、属人化は能力の問題ではないという点です。 多くの場合、「人がやる前提で運用が設計されている」という構造が原因になっています。

1-4.なぜCI/CDは“教育”として扱う必要があるのか

CI/CDは、ツール導入だけで実現できるものではありません。 実際、CI/CDツールは導入されている、パイプラインも存在する。 それでも、運用は人頼みという状態は珍しくありません。

これは、

  • なぜ自動化するのか
  • どこまでを仕組みに任せるのか
  • どこから人が判断するのか

といった前提が共有されていないことが原因です。

Phase02を教育として扱う意味はツールの使い方ではなく、運用の前提を揃えることにあります。

この前提が揃っていないと、どれだけ高度なツールを導入しても属人化は形を変えて残り続けます。

1‐5. Phase02は「効率化フェーズ」ではない

自動化という言葉は、しばしば「効率化」「スピード向上」と結び付けて語られます。 しかし、Phase02の本質は効率化ではありません。

このフェーズで本当に重要なのは、

  • 再現性
  • 安定性
  • 責任の分散

です。

自動化によって、誰がやっても同じ結果になる、手順が明文化される、個人に依存しない運用が成立する、という状態を作ることが目的です。 効率化は、その結果として後からついてくるものに過ぎません。

1‐6. Phase02を終えた組織・人材はどう変わるか

Phase2をきちんと通過した組織や人材には、次のような変化が見られます。

  • 作業内容を説明できるようになる
  • 引き継ぎが成立する
  • トラブル時の対応が冷静になる

結果として、運用が安定する、教育コストが下がる、次のフェーズ(制御・Kubernetes)に進める、といった効果が生まれます。

Phase02は、組織としてスケールするための前提条件だと言えます。

■おわりに

CI/CDは文化である

CI/CDは、単なるツールや仕組みではありません。 それは、人がやる前提を疑う、仕組みで回すことを前提にする、という運用思想の転換 です。

Phase02は、技術的なフェーズであると同時に、組織の考え方を変えるフェーズでもあります。 ここを曖昧にしたまま次に進むと、必ずどこかで詰まります。

■次回予告 次回はPhase3「Kubernetesを“魔法”にしないために、教育でやるべきこと」を解説します。

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